Takamori博士が語るレースの裏側ドタバタ話

【夏休み特別企画】プロドライバーになるには?                              2014年08月21日

Takamori博士 はかせです♪♪ 1970年北海道札幌市生まれ。1995年に北海道でレーシングカートに出会い、ミッションカートで日本全国のサーキットを転戦するほどレースにハマル。2008年に四輪レースへ初参戦。わずか5レースのキャリアでSUPER GT GT300クラスへ参戦したツワモノ。レーシングドライバーと言うよりも、まるで走るエンジニア。夢はいつか自分のマイカーを持つこと。実はサーキット以外で車を運転することが無い変わったレーシングドライバー?!なのです。



【夏休み特別企画】で、プロドライバーになる方法をお教えします。

ボクの場合は趣味でレースをしている訳ですが、サーキットへ行くとプロを目指して頑張っている若者が沢山居ます。そういう若者達に、『どういうプロを目指すの?』って聞くと、大概は『GT300を経験した後でGT500でメーカドライバー!!』と言います。。。

ふーん、そうなんだ。と、『じゃ、具体的に何を何時までにどうするの?』と聞くと、あまり具体的な答えが返ってこないので、、、『あー、口だけってやつですね?』と思ってしまうわけなのです。。。



■GTドライバーになれる確率
確率論なのですが、GTドライバーって、だいたい150万人に一人しかなれないわけなので、当たり前の考え方や行動力だとかなり難しいでしょうねぇ。。。

80人(GTドライバーの人数)÷1億2千万人(日本の人口)=150万分の一

もちろん、飛びぬけた実力があっても、カオスの原理で限りなく無理に近いわけです。

そもそも実力とは何か?と言う定義を最初にはっきりとさせなくてはいけないのです。



■GTに乗れる実力
GTに乗れる実力は、GTに乗ってキチンと走れる事を証明するしかなく、それ以外の方法はボクは知りません。

よく、ポルシェのワンメイクレース(PCCJ)で活躍して来年ステップアップするんだ!! とか スーパー耐久ST-3クラスで修行を積んでからGTに挑戦する!! とかの意気込みは聞きますが、なかなか実現するのは難しいように思います。

まぁ、でも、GTに乗ってキチンと走れる事を証明するには、『にわとりが先か? たまごが先か? 』理論を論破しなくてはイケマセンので、こちらも非常に難しいところです。

そもそも、運転が上手なだけでプロドライバーに成れるわけではなく、プロドライバーになるには、何か得体の知れない様々な実力が必要になるようです。

運転が上手なだけでプロドライバーになれるのなら、運転がスゴク上手なヒトは誰でもF1ドライバーになれるのでしょうか? 現実的にそんな事は平成の時代には無いのです。と、言う事は、運転以外の実力も大切であるという仮説に行き当たります。

『じゃ、何の実力ですか??』 と疑問に思うかもしれませんが、それ聞いちゃう時点でプロドライバーになる実力がもう足りていない訳です。 ズバリ、具体的に言うと想像力が足りません。GTマシンを東武伊勢崎線の電車に置き換えればイメージし易いでしょうか?



■電車に乗る実力
東武伊勢崎線に乗るにはどうすれば良いのか? ポイントはいくつかありますが、北海道札幌市の人が乗る場合をイメージします。

1)札幌駅から快速エアポートで新千歳空港を目指します。
2)飛行機で羽田空港を目指します。
3)羽田空港からリムジンバスで北千住を目指します。
4)北千住で東武伊勢崎線に乗ります。


と非常に簡単です。

では、ここで何の実力が必要か??? 少し掘り下げてみましょう!!

1)札幌駅から新千歳空港
まずは、バスで行くか?電車で行くか? 時間と費用の効率を考え、飛行機の時間にあわせて停滞無く移動するには電車が有利でリスクが少ないと結論を導き出し、さらにはその運賃額を稼ぐ実力が必要です。

2)千歳空港から羽田空港
もちろん、予備知識で、飛行機の乗りかたは知っていますね? 飛行機の運賃はかなり高いのです。まずは働くか? 懸賞に応募するか? おごってもらうか? 企画書書いて協賛してもうか? 等をして飛行機のチケットを入手する必要があります。

3)羽田から北千住
電車やモノレールやリムジンバス等の選択肢があります。電車に乗るなら路線図を覚えなくてはいけません。。。そのためには電車路線図と時刻表を照らし合わせて検討する必要があります。そんなの覚えたくないなら、パソコンやスマホで電車路線ルートを検索する方法もあります。しかし、乗り換えのホームや乗り換え切符でつまずく可能性があるので、手間を省いてバス!という選択でリスクヘッジをし、バスの窓からスカイツリーやお台場を見れるという新たな出会いが生まれるのです。

4)北千住で東武伊勢崎線に乗る
北千住でバスを降りたら、東武伊勢崎線の改札を探さなくてはいけません。 階段を上がってJRの改札を通り過ぎ、東武伊勢崎線の改札で切符を買えば良いのですが、、、人が多いので悩みます。そして、切符を買ってホームに行くには1Fに降りれば良いのか? 3Fに上がるのか? 悩むのです。まっ、そんなときは2Fの改札前の札幌ラーメン屋さんで味噌ラーメン食べながら落ち着いて考えれば良いんですけどね。。。

これらの行動をレースに置き換えて、自分のやるべき事をイメージするのですが、、、、

想像できますか???



■じゃ、GTドライバーになるには???
GTドライバーになるまでの過程をイメージすることが大切です。そして、そのイメージが合っているのか?否なのか?を常に確認しながらキャリアを積んでいく事が非常に大事なのであります。一つの判断ミスでせっかくの準備が台無しになってしまう危険性がありますから。。。

ボクの場合は、自動車レースを初めて5レース目にはスーパーGTに乗っていました。ボクは車を持っていないので、普段は車に乗らないし、走行会にも草レースにも出たこと無かったし、、、

GTに出るんだ!!というイメージを作って、具体的な必要条件を全てクリアする事が出来た訳です。もちろん、ボク自身、レース業界に知り合いは一人も居ませんでしたので、知り合いを作るところからレースキャリアを始めた訳です。

『じゃ、具体的にどうやったんですか?』と聞かれることが多いのですが、ボクは懐が狭く、技量が無く、ケチな人間なので、決してヒトに教えることは無いのです。だって、教えた通りにマネされたら、ボクがドライバーから引きずり降ろされてしまう事は明白だから。。。



■でもヒントは言えるの
たくさんの若いドライバーに当てはまる事だと思いますが、自分の実力(いろんな意味のね。)を軸に物事を考えてたら、たいしたキャリアアップのイメージは出来ませんので、頭を切り替えて、実力ある人の力をわけて頂いたら如何でしょうか?

それを踏み台に自分も実力をつけてレースの世界へ飛び込めば良いのです。それが出来なければ、プロフェッショナルなレースの世界には辿り着けないのです。

レースの世界では、速く走れるドライバーはたくさんいるのですが、チームが欲しいドライバーは、「こいつに任せておけば安心」というチームを勝利まで導いて引っ張っていけるドライバーなのです。速く走れても、壊したり、ミスしたり、勝負弱かったりしちゃダメなのです。

メーカー系のワークスチームは経験無いので知りませんが、プライベートチームは壊したらレース活動が即、終了となるリスクとも戦っているのです。そのようなプレッシャーの中で結果を出さなければプロレーサーにはなれないのです。

考えても難しいので、GTドライバーになりたければ、GTに出場しているチームに潜り込んでワンメイクレースをするのが一番てっとり速いと思います。才能があるのか? 無いのか? プロになれそうか? 趣味で止めておくべきか? 一瞬で判断してもらえると思います。

DIJON Racing育成ドライバーの富田竜一郎選手は、いよいよ来週の鈴鹿1000KmでSUPER GTドライバーの仲間入りです!!プロを目指すそうですので、いろいろなチームのオーナー様、注目して見て上げて下さい。よろしくお願いします!!


このページは2013年~2015年まで、AUTO SPORTS webホームページに
投稿されていたモタスポブログ(2014年08月21日)を再編集したものです。
          

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